タバコって筋肉に悪いの??
夜職専門のパーソナルトレーナーとして「酒・タバコ・性」は常に議題に上がってきます。今回はタバコについてですが、
タバコを吸うと「体力が落ちる・息切れが早くなる」などは聞いたことあるかもしれませんが、タバコを吸うことによって筋肉が落ちるという話はそんなに聞いたことないんじゃないかと思います。
普通に考えたら体力が落ちるなら、筋肉にも悪いだろう!当然低下するに決まっている、
喫煙者より非喫煙者の方が筋肉のつきが早いんじゃない?という漠然な回答がほとんです。
そこで今回は「タバコは筋肉にどう言った影響を及ぼすのか」ということについて精査していきましょう
目次
- ○ タバコの成分
- ・ニコチン
- ・タール
- ・一酸化炭素
- ○ 体力低下と一酸化炭素の関係
- ○ 瞬発系の運動にはタバコの影響はない??
- ○ まとめ
タバコの成分
タバコの煙には様々な燃えかすが含まれます。この燃えカスであるタバコの主流煙は、95.5%がガス成分、3.52%は粒子成分(タール)、0.28%がニコチンとされています。ガス成分は約1,000種類、粒子成分は約4,300種類、合計約5,300種類の化学物質が含まれ、これらの化学物質の中には発がん性があると言われている物質も約70種類存在します。
一般的に知られているのは一酸化炭素・タール・ニコチンの三種類ですが細かく分けると5千種類の成分を含んでいます。もちろんその中に含まれるものは人体に有害なものがあり依存性を生むものも存在します。
ニコチン
タバコ製品に含まれるニコチンは、タバコへの依存性を高める物質です。喫煙により、急激にニコチン血中濃度が上昇することで依存が形成されます。
個人差はありますが、麻薬に匹敵するほどの依存です。吸えば吸うほど依存性は高くなり、やがて自分の意思とは関係なく、ニコチン支配による喫煙が繰り返されます。
喫煙後約5分で血液中のニコチン濃度は最大になります。その後約1~2時間で半分以下に減るため、ニコチン濃度を維持するには断続的に吸い続けなければなりません。
ニコチンは依存性を高めるだけでなく、副腎からのカテコールアミン分泌を亢進させ、血管収縮、血圧上昇、脈拍増加をきたし、心臓に大きな負荷をかけます。また、強力な血管収縮物質をもつトロンボキサン A2を遊離させます。血小板凝集や血栓形成のリスクも高まります。
また、ニコチンの代謝物には発がん性をもつ物があります。
タール
一酸化炭素やガス状成分をのぞいたタバコ煙の粒子部分の総称です。タールにはニコチンをはじめとする有害物質や発がん性があると言われている物質を数多く含みます。
一酸化炭素
一酸化炭素は有機物の不完全燃焼で発生するガスです。タバコ煙にも3%前後含まれていて、無味無臭の気体で極めて毒性の高い物質です。私達の血液にはヘモグロビンという成分があります。酸素はこのヘモグロビンに結びついて全身に運ばれていきますが、一酸化炭素は酸素に比べて200倍以上もヘモグロビンと結びつきやすい性質を持っています。
このため、喫煙によって一酸化炭素を体内に吸い込むと、酸素はヘモグロビンに結びつくことができず、血液の酸素運搬能力が低下し酸素不足に陥ります。
体力低下と一酸化炭素の関係
タバコを吸うと体力の低下が一番早くに感じます。運動は筋肉の動きによって行われます。筋肉を活用する際に、多くの血液を必要とします。血液に運搬には酸素が必要であり、酸素濃度が低くなると乳酸が増え筋肉自体の動きが鈍くなってきます。全力で走った時にしんどくなる理由はこう言ったことです。
ちなみに、ワンピースのルフィーのようにギアセカンドで全身の血流速度をあげ筋肉の動きを活発にすることは化学的に可能であり、それを行う一番簡易的なものが"ドーピング”です。
ただ、人間はゴム人間ではないので、血流の圧力が高すぎると筋肉の指導よりも心臓と血管が破裂するので残念ながらあそこまではできません。w
話を戻して。一酸化炭素がヘモグロビンに結びつくことによって酸素運搬がうまくいかなくなり、持久走などは大きな弊害をもたらします。
瞬発系の運動にはタバコの影響はない??
有酸素運動の弊害は明らかにされましたが、体作りで重要になってくる筋トレにはどのような影響を及ぼすのか、このことについて調べられた論文は実は数が少なく、まだ完全には明らかにされていません。
長尾洋子らによる研究内容によると「最大ピークトルク値は , 有意差が なかった (p=0.32)。除脂肪体重比全仕事量は , 有意差はなかっ たが非喫煙群のほうが大きい傾向にあった (p=0.15)。下降時間 / 全運動時間は両群とも有意差がなかった (p=0.17)。酸素回復率は非喫煙群のほうが有意に高かった ( 非喫煙群 86.2 ± 16.0%, 喫煙群 71.3 ± 16.9%, p<0.05)。上肢 ・ 下肢血圧比は非喫煙群が 有意に高かった 」とある
これをわかりやすく説明すると
・最大パワーに関しては関係はなかった。
・脂肪を除いた体重で比べてのパワーは若干非喫煙者の方が高かった
・運度を行なった後の回復速度は非喫煙者の方が早かった
・上半身・下半身共に血の圧力が非喫煙者の方が高くうまく運動時に血がめぐり運動が行えている。
という結果である。弱化の差が出たものの1分1秒を争うアスリートでない限り気にしなくていい数値でしょう、タバコによって筋トレがうまく行えないなどの心配はしなくていいかもしれませんね。
まとめ
タバコはもちろん吸わないに越したことはありません、健康面を考えると絶対に喫煙はしない方がいいです。
しかし社会にはストレスが多くどうしてもそういった嗜好品に頼らないとやっていきないのも事実です。喫煙回数は自分でできるだけ少なくコントロールするか紙タバコから電子に変えるなどを検討しましょう。
タバコによる筋トレへの影響は多少は出るもののそこまで気にする必要はないでしょう。
実際喫煙をするアスリート達は多くいますしね・・・w
(日体大でも喫煙ルームはいつ行っても満員でしたw)
他にも面白い記事を掲載しているのでぜひ閲覧してみてください